お客さまがご来店するまでのプロセスを見える化できれば、飲食店の集客やDX(デジタル・トランスフォーメーション)はもっと良くなります。
こんにちは。
武野 慎一郎です。
今回は、飲食店に欠かせないカスタマージャーニーマップの作り方をご紹介します。
6ステップで誰でも簡単に作れるので、お客さまがご来店するまでのプロセスを見える化するために、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店経営に欠かせないカスタマージャーニーマップとは?
カスタマージャーニーマップを日本語に意訳すると「お客さまが商品やサービスを購入するまでに至るプロセス」となります。
飲食店においては、お客さまがご来店するまでにどういったプロセスを辿っているのかを明示するためのフレームワークです。
「お客さまが料理を注文するまで」を1つのプロセスとして考えるケースもあります。
私と皆さんの認識を合わせるために、今回は「お客さまが飲食店を認知しご来店するまでのプロセス」と定義した上で話を進めていきます。
カスタマージャーニーマップの作成イメージ
早速ですが、実際に作成したカスタマージャーニーマップをご覧ください。
こちらは私のお店で使用しているカスタマージャーニーマップです。このフレームワークのおかげで、お客さまに適切な情報を届ける集客施策を実現しています。
飲食店にカスタマージャーニーマップが欠かせない5つの理由
飲食店にとって、カスタマージャーニーマップは重要なフレームワークの1つです。その5つの理由をご紹介します。
1. お客さまの行動が複雑化しているから
インターネット時代の到来、スマートフォンの普及、SNSの日常化などを背景にお客さまの行動は大きく変化しました。
飲食店にご来店するまでの行動が複雑化していることから、集客の難しい時代だと言えます。
一方で、カスタマージャーニーマップを活用すればお客さまがご来店するまでのプロセスを把握でき、集客において「競合店よりも一歩抜きん出るお店」になれます。
2. 正しいタッチポイントを把握するため
タッチポイントとは「お客さまとの接点」のことです。インターネットやSNSを駆使した情報収集が当たり前の時代、タッチポイントは増え続けています。
お客さまがご来店するまでのプロセスの中で正しいタッチポイントを把握すると、正しいタイミングで正しい情報提供ができるようになります。
「お客さまがご来店する前にお客さまと接点を持つ」ことは、飲食店にとって欠かせない集客施策です。
3. 無駄な集客投資を避けるため
「ホームページを開設したのにインターネット経由の予約が全然集まらない」という経験はありませんか?これは、お客さまのカスタマージャーニーマップ上にホームページという集客施策を置けていないのが原因です。
カスタマージャーニーマップを作り、お客さまがご来店するまでのプロセスを把握すると、こうした無駄な集客投資も防げます。飲食店にとって本当に正しい集客施策を考えるためにも、カスタマージャーニーマップは欠かせません。
4. 解決すべき課題の優先順位をつけるため
飲食店が売上アップやDX(デジタル・トランスフォーメーション)などを実現するには、解決すべき課題がたくさんあります。
しかし、そのすべての課題を解決しようとするのは現実的ではなく、効率も下がります。
この問題を解決するためにカスタマージャーニーマップを作り、お客さまの理解を深めた上で解決すべき課題の優先順位をつける必要があります。
5. スタッフが共通認識を持つため
一貫性のある集客やDXを実現するためには、スタッフ全員が共通認識を持たなければいけません。
共通認識を持つためのフレームワークはいくつかあり、カスタマージャーニーマップもその1つです。
今の時代、お客さまには無数の選択肢が用意されています。
そうした中で自店が選ばれる可能性を少しでも上げるためには、一貫性の高い集客やDXを実現し、お客さまにとって違和感やストレスの少ないサービスを提供する必要があるのです。
簡単6ステップ!飲食店のカスタマージャーニーマップの作り
それでは、飲食店に欠かせないカスタマージャーニーマップの作り方をご紹介します。6ステップで完了するので、ぜひ作成してみてください。
ステップ1. ペルソナを作る
カスタマージャーニーマップ作りに取り掛かる前に、まずはペルソナを作りましょう。ペルソナとは「飲食店にとって理想のお客さま像」のことです。詳しい作り方は以下の記事で解説しているので、これを参考にしながらペルソナを作成してください。
関連記事:ペルソナとは?DXに欠かせないフレームワークの設定項目を解説
ステップ2. マップを作る
続いて、お客さまがご来店するまでのプロセスを表すマップを作成します。マップに関してはテンプレートをご用意したので、ダウンロードしてお使いください。
マップを自作する場合は、まず縦軸に5つの項目を設定します。
- タッチポイント
- 行動
- 思考
- 感情
- 課題
横軸は「ニーズの顕在化」「飲食店情報を収集」「飲食店を比較」「ご予約」「ご来店」の5項目を設定しましょう。必要に応じて「料理を注文」などのプロセスを加えても問題ありません。
ステップ3. お客さまの行動を整理する
次に、事前に作成したペルソナを参考にしながらお客さまの行動を整理していきます。
お客さまの行動を整理する際は、考えられる行動をすべて洗い出すのがポイントです。昨今ではインターネットやSNSなどデジタル上の行動が増えているため、それらを重点的に洗い出してください。
ステップ4. お客さまの感情を整理する
行動を整理したら、お客さまの感情も整理していきましょう。その際は次のポイントを意識してください。
なぜその行動に至ったのか?
ポジティブか?ネガティブか?
お客さまの感情をポジティブかネガティブかに分けるのは重要です。感情の起伏によって実施すべき集客施策が変わるため、この点を重点的に整理していきましょう。
また、「情報が具体的過ぎないこと」も重要です。あまりに具体的な感情として整理すると、柔軟な施策を考えられない可能性があります。
ステップ5. タッチポイントを整理する
タッチポイントとはお客さまとの接点です。昨今のタッチポインとはGoogle検索やGoogleマップ、各種SNSなどデジタルなものが大半となります。大切なのは「プロセスごとに利用するデジタルツールが異なる」という点です。多くの方はTwitterやInstagramなどのSNSを目的別に使い分けています。そのため、プロセスごとに利用するデジタルツールが異なるため、これを考慮したタッチポイントの整理を行いましょう。
ステップ6. マッピングする
最後に、ここまで整理した情報をもとにしながらマッピングを行います。実際の作成例はこちらをご覧ください。
完成したカスタマージャーニーマップを眺めながら、これからの集客施策やDXについて考えてみましょう。注意していただきたいのは「カスタマージャーニーマップを作って終わってしまうこと」です。カスタマージャーニーマップなどのフレームワークは、それ自体が目的ではありません。フレームワークを使って情報を整理し、具体的な集客施策やDXに落とし込む必要があります。
また、カスタマージャーニーマップには定期的な見直しも欠かせません。1度作成したカスタマージャーニーマップが正解とは限らないので、必ず定期的な見直しを実施し、日々改善していってください。
カスタマージャーニーマップ作りはテンプレートを活用するのが効率的
カスタマージャーニーマップの良いところは、テンプレートを活用すれば素早く作成できることです。
今回ご用意してテンプレートをダウンロードすれば、ペルソナ作成後すぐにカスタマージャーニーマップを作成できます。
また、素早く作成できるからこそ定期的な見直しを怠らないでください。
カスタマージャーニーマップを定期的にも直せば質を改善し、現実とのギャップを埋められます。そうして初めて、成果の出る集客施策やDXを実施できるようになります。
カスタマージャーニーマップで飲食店とお客さまの関わり方を考えましょう
今回は飲食店に欠かせないカスタマージャーニーマップについてご紹介しました。カスタマージャーニーマップを作り、お客さまとの関わり方について考えるのはすべての飲食店にとって重要です。
この機会にカスタマージャーニーマップを作成し、お客さまの行動把握とタッチポイントの改善に努めてみてください。