コロナ禍によって客足が減った、売上が下がったなどの問題を抱えている飲食店は、新しいビジネスモデルの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
こんにちは。
武野 慎一郎です。
今回は、今注目すべき飲食店のビジネスモデルを6つご紹介します。
ちなみにビジネスモデルとは「利益を生み出す収益構造」のことであり、わかりやすく言い換えれば「業態」です。
気になるビジネスモデルがあれば是非ともチャレンジしてみてください。
今注目すべき飲食店のビジネスモデル6選
それでは早速、今注目すべき飲食店のビジネスモデルを6つご紹介します。
おひとり様客専門店
ジェンダーレス社会が進む中、男性・女性などの性別に関係なく「おひとり様」を楽しむお客さまが増えています。
体感値ではありますが、倉敷という観光地にある私のお店でもおひとり様客が増えているように感じています。
2021年3月の調査からも、おひとり様消費が増えているというデータが発表されています(SMBCコンシューマーファイナンス調べ)。
また、おひとり様客の消費傾向も上がっており、月間平均9,637円という数字は前回調査(2019年2月実施)から4,201円も増加しました。
こうした調査データを考慮してもおひとり様客をメインターゲットとした「おひとり様客専門店」は、今後の飲食店のビジネスモデルとしてかなり有望ではないかと考えています。
テイクアウト専門店
コロナ禍以降、テイクアウト専門店が大幅に増加しましたね。
Uber Eatsや出前館などのデリバリーサービスの拡大もあり、テイクアウトに勝機を見た飲食店が多かったのでしょう。
2020年・2021年と比べると街中でUber Eatsの配達員を見かけることは少なくなりましたが、それでもテイクアウト専門店には大きな需要が期待できます。
コロナ禍により自宅で過ごすことの楽しさを覚えた人も多く、ホームパーティを楽しむ日本人も増えています。
単品料理やお弁当をテイクアウトで提供するだけでなく、パーティメニューを提供するなど幅広く展開すれば、客単価も高くなりワンランク上のビジネスモデルとして取り組めるでしょう。
サブスクリプション
サブスクリプションとは、月々定額で利用できるサービスのことです。
もともとはクラウドサービスから始まったビジネスモデルですが、最近では飲食店でもサブスクリプションを取り入れる店舗が増えています。
サブスクリプションを利用するお客さまは定額で通い放題なので、一見すると収益性が低いようにも感じます。
しかし、「ドリンクは有料」などさまざまな戦略を取り入れることで、しっかりと収益を確保できるビジネスモデルでもあります。
また、完全会員制の高級ラウンジなど客単価を極端に高められる飲食店の場合、通常の業態よりもサブスクリプションの方が収益性を高められる可能性があります。
オペレーションセルフ化
オペレーションセルフ化はビジネスモデルというよりも、業務効率化に近いものだと言えます。
一般的な飲食店ではホールスタッフがお客さまから注文を受け、厨房に伝達し、出来上がった料理を運びます。
一方、オペレーションセルフ化された飲食店では受注から厨房への伝達、料理の配膳などすべてデジタルツールやロボットによって行われるため、ホールスタッフを必要としません。
厳密に言えばホールスタッフがゼロとはいきませんが、従来は5・6人のホールスタッフで回していた飲食店でも、1・2人配置すれば済むようになります。
ただし、全体的なオペレーションセルフ化にはデジタルツールやロボットへの投資が必要になるため、費用対効果をしっかりと見極めることが大切です。
お取り寄せ中心のビジネス
飲食店経営が波に乗ると、2店舗目・3店舗目を検討する経営者が多いでしょう。
しかし場合によってはお取り寄せ中心のビジネスにシフトする方が、ビジネスモデルとして成功できる可能性があります。
私が思う、お取り寄せ中心のビジネスで成功している飲食店といえば福岡県糟屋郡の「御料理 茅乃舎」さんです。
茅乃舎さんといえばお取り寄せの出汁で有名なので、レストランの方を知らないという方も多いでしょう。
お取り寄せ中心のビジネスで経営する飲食店を1店舗に絞ることで、ブランドの世界観を全面に出すことと、料理・サービスの質を維持することに成功しています。
飲食店は店舗数が増えるごとにブランディングや質の維持が難しくなるので、自慢の一品があれば店舗拡大ではなくお取り寄せ中心のビジネスを展開するのも「あり」です。
クラウドキッチン
クラウドキッチンとは、実店舗を持たない飲食店のことです。
具体的にはシェアキッチンと呼ばれる共有キッチンサービスを利用し、テイクアウトメニューを中心に提供します。
私がクラウドキッチンに着目している理由は「少ない初期投資で飲食店を始められる点」です。
飲食店を立ち上げるとなるとテナント費用や設備費用など、スタッフの雇用など多額の初期投資がかかるため、飲食店経営にチャレンジしたい若い世代の人たちがなかなか生まれないという難点があります。
一方で、クラウドキッチンなら月数万円のコストで飲食店経営を始められるため、飲食業界全体の活性化に貢献するのではないかと考えています。
飲食店経営にチャレンジしたい、しかし資金が足りない。そんな方はクラウドキッチンというビジネスモデルを検討してみてください。
飲食店が新ビジネスモデルに取り組むべき理由
そもそも、なぜ飲食店は新しいビジネスモデルに取り組むべきなのでしょうか?
既存のビジネスモデルは崩壊しつつある
経営者として既存のビジネスモデルに疑問を持ち、問題点を考え、新しいビジネスモデルにチャレンジすることは大切です。
日本の飲食業界における基本のビジネスモデルといえば「美味しい料理を安く出す」ですね。
これは飲食業界に限った話ではないのですが、こうしたビジネスモデルが当たり前になると、資本力のある大手企業が一人勝ちする構図が出来上がります。
つまり薄利多売のビジネスモデルです。
数十年前ならばそれでも個人経営の飲食店が高い利益を出すことはできたのですが、物価は上昇し続けるものの賃金伸び率の低い日本では、当然のことながら利益ばかりが圧縮されていきました。
それでも市場を生き残れるのはやはり資本力のある大手企業だけです。
これからの飲食店は既存のビジネスモデルにとらわれず、新しいビジネスモデルをどんどん取り入れながら高い付加価値を生み出し、客単価を高めるという取り組みが必要になっていきます。
また、新しいことにチャレンジし続けるからこそ見える景色は確かにあるので、今こそ飲食店が新しいビジネスモデルに取り組むべき時なのです。
固定概念を捨てて新ビジネスモデルに取り組みましょう
飲食店経営に悩んでいる方、これから飲食店経営を始める方は、まず今までの固定概念を捨てましょう。
ビジネスとは本来自由なものであり、既存のビジネスモデルにとらわれる必要はありません。
どのようなビジネスモデルでも高い収益を上げた飲食店が勝者なのです。
新しいビジネスモデルに取り組むことを恐れず、自由な発想で飲食店業界を一緒に盛り上げていきましょう。