飲食店のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進するにあたって、デジタルツールの導入や業務改革など、さまざまな施策を展開する必要があります。
こんにちは。
武野 慎一郎です。
デジタルツールの導入や業務改革などはいずれも飲食店DXの実現に欠かせませんが、それ以上に大切なことが3つあります。
飲食店DXで大切な3つのこと
- 何のためのDXなのかを常に考える
- 決してお客さまを置き去りにしない
- 従業員も置き去りにしない
これらは、デジタルツールの導入や業務改革などよりも大切な、飲食店DXの根幹になる部分です。それぞれ詳しくご説明しますので、飲食店DXを目指している方はぜひ参考にしてみてください。
飲食店DXで忘れてはいけないデジタル化よりも大切なこと
それでは、飲食店DXで忘れてはいけない、デジタル化よりも大切な3つのことについて詳しくご紹介します。
何のためのDXなのかを常に考える
近年、DX実現を目指す飲食店が増えています。
コロナ禍で客足が減った、競合店舗との競争が激しくなった、観光地のインバウンド需要に対応する必要があるなど、飲食店DXに取り組む理由はさまざまです。
その理由を常に考えることは飲食店DXの実現に欠かせません。
DXとは一般的に、デジタルツールを駆使した業務改革や新しいビジネスモデルの導入、それらによる飲食店の付加価値創出などを意味します。
このDXは日本で一種のトレンドになっているため、「なんとなく」で取り組んでしまっているケースが少なくありません。
また、当初は明確な理由があっても、DX推進の中で本来の目的を見失ってしまうケースもあります。
飲食店DXを推進するにあたって、明確な目的や理由というのは大切な指標です。
これを見失うと、あっという間に道に迷い、何のためのDXなのかわからなくなってしまいます。
飲食店のビジネスや業務を良くするためのDXが、逆に悪影響をもたらす可能性があるため、何のためのDXかは常に考え続けなければいけないのです。
決してお客さまを置き去りにしない
飲食店DXで「お客さまを置き去りにしているケース」は多々あります。
たとえば、地域に根ざした経営をしている飲食店の場合、必ずしも全面的なDX推進が正解とは限りません。
スタッフとのコミュニケーションを重視しているお客さまが多い飲食店で、スマホ注文を導入すればコミュニケーションの場が減ってしまいます。
それを寂しく感じたお客さまがどんどん離れていってしまった、という事例もあります。
また、観光地にある飲食店だからといってインバウンド需要ばかり意識すると、国内のお客さまを置き去りにしてしまう可能性があります。
飲食店DXは自店舗だけでなく、「お客さまにとっても有益なデジタル改革」でなくてはいけません。
正しい飲食店DXを推進するためにも、入念な事前調査や顧客分析などを行った上で、具体的なDX施策を考えていきましょう。
以下の動画では、飲食店DXの実現に向けたフレームワークについて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
スタッフも置き去りにしない
飲食店DXはお客さまだけでなく、スタッフも置き去りにしないことが大切です。
そもそも飲食店経営はスタッフありきであり、経営者1人で回せるものではありません。
しかし、我々経営者はその事実を忘れてしまいがちで、あたかも自分1人の力で店舗を経営していると錯覚してしまいます。
正社員であれパート・アルバイトであれ、「この人の下で働くのは楽しい、やりがいがある」と感じられる経営者でなくてはいけません。
そのためにも、日頃からスタッフに対して感謝の思いを持ち、ことあるごとにそれを伝えましょう。
そして、飲食店DXでも同じことが言えます。
飲食店DXは業務改革や新しいビジネスモデルの導入のためですが、その影響を強く受けるのはスタッフです。
そのため、飲食店DXに対する経営者のビジョンを明示し、スタッフの意見も取り入れながらDXを推進するのが正しいDX推進だと言えます。
以下の動画ではDXビジョンの共有に役立つ、マインドマップの作り方について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
「飲食店はマインドマップの作り方を知り、DXビジョンを従業員と共有しよう」
私が経験したデジタル化の苦い経験談
デジタル化は手段であって目的ではない!
飲食店DXにおいて、デジタル化とは手段であって目的ではありません。
デジタルツールを活用したり、データ分析を取り入れたりするのは、店舗経営やスタッフの業務をやり易くし、お客さまの満足度を高めたりするためです。
こうした飲食店DXの本質を見失い、手段と目的と間違えてしまうと、DX本来の目的を見失ってしまいます。
そればかりか、お客さまもスタッフも置き去りにしてしまうリスクが高いので、十二分に注意してください。
デジタル化を伴い飲食店DXですが、それよりも大切なのは「目的意識を持つこと」と「人中心に考えること」だというのを忘れないでください。