インバウンド需要が少しずつ回復していく中、多くの飲食店ではその商機を逃さないために、外国人観光客への対応について考える必要があります。
こんにちは。
武野 慎一郎です。
新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、インバウンド需要が拡大するのは我々飲食業界にとって嬉しいニュースですね。
しかし浮かれるばかりではなく、さらなるインバウンド需要の拡大に向けて準備を整えていく必要があります。
今回は外国人観光客の対応に有効な「チャットボット」についてご紹介するので、インバウンド需要への備えとして参考にしてみてください。
チャットボットとは?
チャットボット(Chatbot)とは、チャット上で利用できる自動応答機能のことです。
みなさんは、どこかのWebサイトやLINEの友だちに追加した公式アカウントなどで、メッセージを送信すると自動的に応答するチャットを見たことはありませんか?
それこそがチャットボットです。
郵便局のLINEチャットボットサービス「ぽすくま」
最近では導入している企業が増え、サービス対応やカスタマーサポートなどでチャットボットが広く取り入れられています。
飲食店がチャットボットを導入するメリット
飲食店におけるチャットボット活用はまだ一般的ではないため、イメージできない方が多いかもしれません。
しかし、飲食店がチャットボットを導入するとさまざまなメリットが得られ、インバウンド需要にも対応できます。
それではチャットボットの導入メリットを5つご紹介します。
1. 注文業務を自動化できる
チャットボットは、チャット上でのやり取りを利用したさまざまなサービスを提供できます。
飲食店でチャットボットを導入する際の代表的な活用方法が「注文業務の自動化」です。
たとえば、お客さまはテーブルに用意されたQRコードを読み取り、注文用のチャットを起動します。
注文したい商品と品数を入力するだけでチャットボットが自動的に処理し、厨房へ注文データを送信するという仕組みが作れるのです。
注文業務を自動化できればホールスタッフの業務効率をアップでき、なおかつ注文ミスも無くなります。
2. 予約もチャットボットで自動化できる
飲食店の座席予約などもチャットボットで自動化可能です。
また、座席予約だけでなくデリバリーの予約注文も可能になるため、チャットボットで更なる自動化を目指すことができます。
あるチャットボットサービスはFacebookと連携し、Facebookのメッセンジャー機能を使ったデリバリー注文を実現しています。
SNSでお客さまとコミュニケーションを取りながら、さらに座席予約や予約注文の自動化ができるため、飲食店業務の効率アップにつながるでしょう。
3. 他のメニューを自然とおすすめできる
自動注文のチャットボットには、お客さまが注文した料理やドリンクに合わせて他のメニューをおすすめする機能を搭載することもできます。
ドリンクを注文していないお客さまには料理を、まだドリンクしか注文していないお客さまには選んだドリンクに合わせた料理をすすめるなど、お客さまの注文状況に応じたおすすめも可能です。
個別にカスタマイズされたおすすめをチャットボット上で自然と行うことで、客単価のアップに貢献する可能性もあります。
4. インバウンド需要に対応できる
外国人観光客の多くは日本語を話せないため、お客さまの言語に合わせた対応が求められます。
そこで利用すべきなのが自動翻訳機能が付いたチャットボットです。
飲食店は日本語のインターフェース(操作画面)でチャットボットを管理しながら、お客さまがチャットボットを利用する際は自身の第一言語や英語を選択し、注文などを行うことができます。
自動翻訳AIを搭載したチャットボットなら、精度の高い翻訳でインバウンド需要の対応をサポートしてくれます。
5. お問い合わせ対応にも使える
チャットボットを利用すれば、よくあるお問い合わせへの対応にも活用できます。
たとえば「定休日はいつ?」「営業時間は?」「予約はできる?」など、お客さまが持つよくある疑問に対する解答を作っておけば、お客さまはチャットを利用して各種疑問を解消できます。
店舗での電話対応時間が減ることで、スタッフ全体の業務効率アップに貢献するでしょう。
飲食店が導入したいチャットボットの特徴
チャットボットに興味はあるけれど、導入したことがないからどのようにして選べばいいかわからないという方のために、飲食店が導入すべきチャットボットの特徴をご紹介します。
多言語に対応している
インバウンド需要に向けて多言語対応しているチャットボットを選ぶのがマストです。
ただし、同じように多言語対応といってもチャットボットによって特徴が異なります。
アジア圏の自動翻訳に強いチャットボット、ヨーロッパ圏の自動翻訳に強いチャットボットなど、 外国人観光客の傾向に合わせた多言語対応を選びましょう。
また、自動翻訳AIを搭載しているチャットボットもおすすめです。
自動翻訳AIは自然な翻訳を実現し、お客さまとのコミュニケーションを円滑にしてくれる効果があります。
AI搭載ということで導入・運用費用は多少上がりますが、バイリンガルスタッフを雇用するよりも低コストで導入できるのは確かです。
手厚い導入サポートがある
初めてチャットボットを導入する飲食店の場合は、手厚い導入サポートを提供しているチャットボットを選びましょう。
チャットボット活用で成功するには初期設定、継続的な改善、周知徹底という3つのポイントが大切です。
その中で初期設定につまづいてしまうケースが少なくないため、手厚い導入サポートを提供しているチャットボットの方が導入成功率が高まります。
また、導入後の運用サポートまで提供しているチャットボットも積極的に検討してみてください。
操作画面が使いやすい
最後のポイントとして意識していただきたいのが、操作画面の使いやすさです。
「お客さまにとって使いやすい操作画面」と、「管理者にとって使いやすい操作画面」のどちらにも着目しましょう。
操作画面が使いにくいチャットボットは利用を促すことが難しく、費用対効果が下がります。
逆に操作画面が使いやすければそれだけで継続的な利用につながるため、重視すべきポイントの1つです。
インバウンド需要に向けてチャットボットを検討しましょう
着実に回復しているインバウンド需要を受けて、「競合に負けない対策をしなくては」と漠然と考えている飲食店経営者は多いでしょう。
さまざまな対策が考えられる中で、チャットボット導入は特におすすめです。
インバウンド需要だけでなく日常的な飲食店業務の効率化にもつながるので、この機会にチャットボット導入を検討されてみてはいかがでしょうか。