あなたは飲食店経営者として、時代の変化に対応したメニュー開発に悩んでいませんか?「売上が伸び悩んでいる」「他店との差別化が難しい」そんな課題を抱えていませんか?ここでは、コロナ禍でも成功した私達の店舗「武野屋別邸」の事例から、お客様の心をつかむメニュー作りの秘訣をご紹介します。お客様の行動パターンを分析し、独自の強みを活かした新たな価値提供の方法が見つかるでしょう。
飲食業界は今、大きな転換期を迎えています。大規模宴会需要の減少、多様化する顧客ニーズ、差別化の難しさなど、多くの店舗が生き残りをかけた戦いを強いられています。しかし、このような厳しい環境下でも、新たな価値を創造することで成長の道を切り開いている店舗があります。私達はお客様の行動パターンから得た気づきを元に、周辺相場を上回る価格設定でも支持される独自のポジションを確立しました。この記事では、お客様の心をつかむメニュー作りの本質と具体的な実践方法について詳しくご紹介します。
データ分析から見つけた黄金のビジネスチャンス
今回は、私たちがどのようにしてメニューを作り、お客様の心をつかんでいったのか、特にコロナ禍に、私達が新しく立ち上げた完全予約制の店舗である「武野屋別邸」での新たな挑戦についてお話ししていきます。
飲食業界は大きく変化しています。大規模な宴会や飲み会需要が減少する中、既存の蕎麦屋としての営業だけでは、将来的な成長に限界があると感じていました。しかし、そんな中で見えてきた新たな可能性があります。
それは、本店での顧客アンケートから見えてきた興味深い発見でした。「30代~40代の女性のお客様の多くが、ランチ後にカフェへ移動される」というデータ。一見何気ないこの行動パターンこそが、重要なヒントだったのです。
「せっかくご来店いただいているお客様が、なぜわざわざ私達の店舗で食事したあとに、他店に移動し飲食店に行かなければならないのか?」
この気づきが、私たちの新たなチャレンジのきっかけとなりました。お客様の「ランチもカフェも楽しみたい」というニーズに、私たちが一貫して応えられれば、より満足度の高い体験を提供できるのではないか。そう考えたのです。
そこで立ち上げたのが『武野屋別邸』になります。本店の敷地内にある古民家を改装し、「食とアートの融合」をコンセプトにした新業態です。特に注力したのが、和とパティシエの技を融合させた独創的なスイーツの開発でした。
メニュー開発では、全く新しい挑戦をしています。外部のパティシエと季節ごとにコラボレーションし、3ヶ月ごとに新しいデザートを開発。さらに特徴的なのは、和食料理人とパティシエが協働で創り上げる新しい食文化の形です。
従来のスイーツとは一線を画す、和のテイストを取り入れた独創的なメニュー。これは、単なる「和風」ではなく、両者の技術と感性が融合した全く新しい価値の創造だと思います。
周辺相場+30%でも満席に!独自の高付加価値戦略
価格設定も、私たちならではの考えに基づいています。周辺の類似業態では同じ業態であれば約2,800円から3,800円程度が主流でした。その中で、私たちは4,500円という、あえて高価格帯での展開を選びました。
なぜこの価格設定が可能なのか。それは、本店で培ってきた「商品力×店舗力×接客力」に加え、「器へのこだわり」という強みがあったからです。古民家ならではの非日常的な空間で、厳選された器に盛られた創作スイーツを楽しむ。その価値に、お客様が共感してくれるのではないかと感じていました。
特に器については、2階のギャラリースペースで400年以上の歴史のある長崎県の「波佐見焼」を中心とした陶芸品の展示販売も行っています。料理と器の調和を実際に体験していただくことで、その価値をより深く理解していただけるような空間提供も考えていきました。
和食×パティシエの異色コラボが生んだ唯一無二のコース
また、既存店舗の本店との相乗効果も大きな強みとなっています。本店で和食の技術を磨いてきたからこそ可能な、和の食材や技法を活かしたスイーツの数々。これは他店には真似のできない、私たちならではの強みとなっています。
メニュー開発で特に重視しているのは、地元食材の活用です。フルーツなど地元の食材をふんだんに使用することで、倉敷ならではの魅力を発信し、観光客だけでなく、地元のお客様からも支持をいただいています。
和食とスイーツ、一見すると異なる世界の融合です。しかし、素材を活かし、季節を表現するという点では、実は共通する部分が多いのです。その共通点を見出し、新しい価値として再構築していく。それが私たちの考えるメニュー作りの本質です。
メニュー開発において、最も大切にしているのがお客様の生の声です。例えば、「もう少し和のテイストを強く感じたい」「季節感をより表現してほしい」といったご要望。これらの声を一つ一つ大切にし、次の商品開発に活かしています。
パティシエとの打ち合わせでも、まずはお客様からいただいた声を共有することから始めます。「どんな場面で楽しみたいか」「どんな気持ちで食べていただきたいか」。お客様の視点に立って、商品のコンセプトを練り上げていくのです。
顧客満足度95%を支える「料理×ドリンク」ペアリングの秘訣
また、私たちが特に力を入れているのが、料理とドリンクのペアリングです。料理を提案する際、必ずそれに合うドリンクも同時に提案できるよう、スタッフ全員で研究を重ねています。
例えば、和のスイーツには日本茶や地元岡山県高梁市で農薬を使用しないで栽培される「高梁紅茶」を中心としたドリンクをペアリング。茶葉の種類や淹れ方まで細かく指定し、料理の味わいをより一層引き立てる組み合わせを追求しています。これらの提案内容は全てマニュアル化し、どのスタッフでも同じ品質のサービスが提供できるようにしています。
このようなペアリングの提案は、単に「飲み物を勧める」というだけではありません。料理の魅力を最大限に引き出し、お客様により深い味わいの体験を提供する。それが私たちの考えるサービスの本質なのです。
お客様からは「料理とドリンクの相性が素晴らしい」「スタッフの方の説明で、より深く料理を楽しめた」といった声をいただいています。このような反応が、さらなるメニュー開発とサービス向上への原動力となっています。
お客様の心をつかむメニューとは、単においしいだけではありません。その背景にあるストーリー、作り手の想い、空間との調和、すべてが一体となって初めて、真の価値として伝わるのです。
今後も、お客様の声に真摯に耳を傾け、その期待に応える商品開発を続けていきます。和食とスイーツの融合、そして料理とドリンクのペアリング。これらを通じて、お客様に新しい価値と感動を提供し続けていきたいと考えています。
そして最も大切なことは、「なぜそのメニューを作るのか」という明確な意図を持つことです。
単においしいものを作るだけでなく、お客様にどんな体験を提供したいのか、どんな価値を感じていただきたいのか。その想いを形にすることで、独自性のある魅力的なメニューが生まれます。
最初は小さな変更から始めてください。例えば、既存メニューとドリンクの組み合わせを見直すところから。そして、お客様の反応を見ながら、徐々に新しい挑戦を重ねていってください。
メニュー開発は、お客様との対話の中から生まれるものです。日々の会話の中からヒントを見つけ、それを形にしていく。その繰り返しが、選ばれる店舗への近道となります。皆さんの新たな挑戦を心より応援しています。
まとめ:独自の強みを活かした価値提供がお客様の心をつかむ
ここまで飲食業界の変化に対応した新業態「武野屋別邸」の取り組みについてお伝えしてきました。最後に要点を5つにまとめました。
- コロナ禍で大規模宴会需要が減少する中、顧客アンケートから行動パターンを発見し、その顧客ニーズに応える新業態を立ち上げた。
- コンセプトに沿った独創的なメニューを開発している。
- 周辺相場より高い価格設定にするには「商品力×店舗力×接客力」に加え「器へのこだわり」という強みに基づいている。
- 地元食材の活用や料理とドリンクのペアリングを重視し、より深い味わいの体験を提供している。
- メニュー開発ではお客様の声を最も大切にし、「どんな場面で楽しみたいか」という視点から商品コンセプトを練り上げている。