飲食店開業前に考える外部環境の機会と脅威について。
あなたが飲食店開業前に必ず考えなければいけないこと。そして目をそむけそうな部分を洗い出していきます。決してネガティブにならないように進めて行きましょう。
こんにちは。
武野慎一郎です。
前回はSWOT分析の4つの窓のうち、内部環境のプラス要因とマイナス要因を見つめ、ご自身の強みと弱みにについて考えていただきました。今回は残りの外部環境のプラス要因とマイナス要因について考えていきます。
外部環境とは、社会情勢や市場動向が該当しますが、簡単に言えば、家や職場の外のこと、地域の特色などです。 まずは、プラス要素の『機会』を見ていきます。
例えば、自分が出店を希望するエリアでは、地域の社会活動が活発で、若年者の人口も増加しているとか。メディアで取り上げられたことにより、地域の観光人数が増加している等が該当します。また、堅実な視点から考える事も大切です。今回のコロナ禍を踏まえ、自分のやりたい事業は補助金が充実しているとか、自分の得意とする技術は時代の変化に対応しやすいといった事もあるでしょう。
私の開業時であれば、やはり年間300人以上が訪れる観光地であることがあげられます。倉敷市は美観地区で有名な観光地です。観光客の60%が県外観光客というデータもありましたので、そこは一番大きな外部環境と言えると思います。
最初に作るお店なのでもちろんカップルからファミリー層まで年齢を問わず利用できる飲食店になれるというのもプラスの要因かもしれませんね。また観光地と言っても、少し離れた隠れ家的なお店なので、イベント等の開催もしやすいと感じていました。また、150年の古民家というのはやはり差別化され、地元文化に溶け込んだ自慢できる建物だというのも私たちの武器だったと思います。あなたも、あなた独自の視点で考えてみてくださいね。
ピンチをチャンスにすれば良い
次に、外部環境におけるマイナス要因の『脅威』には、何が該当するでしょうか。自分の強みを打ち消してしまう程の大きな環境の変化や、地球温暖化などの天変地異によって自分の使いたい食材の仕入が厳しくなる可能性があるなど、自分ではどうしようもできない大きなマイナス要素の事です。見方によれば、AIの普及やIT化も雇用機会の減少という副作用をもたらしたり、同業者の参入により競争が激化するといった事も『脅威』と言えるかと思います。
私も当時感じていた脅威は、倉敷駅周辺はやはり競合店も多く、地元に密着した人気店も、観光客だけをターゲットにしたお店もたくさんありましたので、やはりこの部分は脅威でしたね。また当時は低客単価のお店も増加していましたので、値段だけで評価されてしまうことにも脅威を感じていました。
差別化できない商品は、コンビニ等でも売られていますし、お客様のご馳走感の変化等も実際どう感じているのか?お客様に求められているものは何か?というのも常に不安がありましたね。そもそも日本の食文化も、飲食業界の品質も常にレベルアップしていましたから、他店舗は本当にライバルとして脅威に感じていたと思います。
先程も書きましたが、現在は『コロナ禍』です。飲食業の開業は厳しく、そして閉店するお店があることも事実です。しかし、ここでも考え方の角度を変えてみると、同業者も次店舗出店は見合わせているでしょうし、ライバルは減少していて逆にチャンスにも思えます。また、空き店舗が増加してますから安価な家賃で好立地の物件も見つけやすいとも考えられます。
SWOT分析の目的は、理想のカタチに近づくための正確な現状把握です。外部環境におけるプラスの要因とマイナスの要因をバランスよく考える事を忘れないでください。マイナス要因も捉え方を変えれば、チャンスとなり得るのです。ここが明確に思い描ければ、強みを活かした戦略づくりが可能です。なるべく様々な角度から詳細に記入する事をおすすめします。先ずは、社会の情勢を考えてみたり、出店希望地域の情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。
自分にピッタリなジャンルとは?
自分にピッタリなジャンル選定をするには、『なんとなく』ではハイリスクです。『自分を取り巻く外部環境』と『自分の強みとなる内部環境』の両面からのアプローチが不可欠です。例えばバブル期の経済のように、一見するとプラスに作用しそうな外部環境の変化が訪れたとして、絶対勝てるとは限りません。当然、競合他社にとっても同じように好条件であれば競争が激しくなります。
つまり、ここで一番大切に考えるべきことは、自分の秘められた力(潜在能力)に気づくことです。 「自分は、どんな点で競合店舗より勝っているのか?」 「将来予想される外部環境の変化に対応できるだろうか?」このように、競合他社に負けない戦略を立てるには、徹底的な自己分析に勝るものはありません。ここで得た気づきこそ、きっとあなたの一生のお守りになるはずです。
さて、そろそろ自分にとって最適なジャンルは見えてきたでしょうか?サッパリ見えてこない様であれば、切り口を変えてもう一度トライするのも良いのかもしれません。考えが煮詰まった時は、潔くリセットすることも一つの手です。トライ&エラーを繰り返した分、考え方のコツを学ぶことができるでしょう。
次回は、ここで記入したSWOT分析の結果を転写し、クロスSWOT分析を行います。理想の開業を目指して、成功に近づく戦略を考えていきましょう。
あなたの飲食店を最強に導く最強の選択術
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モジュール2:今までの経験から武器を選定する
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- 3-2 飲食店開業時に発揮する武器の組合わせで最高の成果を探る
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