【飲食店開業】出店候補地の競合調査の結果をまとめ、市場を見極める。
あなたは競合調査の結果をどのよう見極めますか?
市場の有無の基準はどのように判断しますか?
こんにちは。
武野慎一郎です。
出店候補地へ足を運び、競合調査を進めながら、かなり精力的に活動されているところだと思います。今日は、こうした日々の努力によって集められたメモから、生の情報として、ご自身の競合調査の結果をまとめあげ、
『市場の有無』や『実現性』について、より深く考えていきましょう。
まず手始めに、実現性の視点から、「競合店の売上予測金額を算定」することにより、自分のアイデアの市場規模を予測してみます。
要は、ライバル店がどれくらい儲かっているか予測を立てることができれば、
自分のアイデアに「どの程度の勝算があるか」判断ができるという事です。
この段階では、金額は概算で大丈夫です。
細かい金額よりも、各オリジナルアイデアにどのくらいの勝算があるのか、
おおよその売上金額を把握しておくことが重要です。
慣れてくれば、感覚的なレベルでも掴めるようなりますが、学ぶ事で知識として身につける事ができます。
この機会に、
『1日の売上予測金額』は、このような公式で求められ事を知っておきましょう。
『席数』×『60÷着座時間(分)』 × 『着座率』×『営業時間』×『平均客単価』
また既に、お気づきかもしれませんが、直接競合店から得られる情報は、出店候補地の売上予測金額が算出可能だと考えられます。
つまり、自分の必要な売上金額が決まると、
必要な店舗のサイズや営業日数等を考える際、非常に参考になるでしょう。
ライバル店で食事をしていても、気を抜かずに、この経営シュミレーションの他にも常にヒントや学びを意識できていますか?
頭を切り替えて、意識的に過ごせているかがライバルと実力の差がつく鍵です。
次に、店舗の内装費用の概算を確認しながら、
前回もお伝えした内装費用について、どの程度コストを掛けるべきかを考えてみましょう。
このコストに関して、正直言うと、非常に繊細な知識が必要となるので、
まずは、業者に聞いてみることをお勧めします。
どうしても、物件による条件の差や立地によっては余計な費用が発生する場合もあるため、一概には言えませんが、
一般的な業界ごとの相場金額を紹介しておきます。
もちろん、内装のグレードにより変化しますので、あくまでも参考程度です。
【店舗の内装費用の概算】
・カフェ 15万円/坪〜
・レストラン 25万円/坪〜
・和食店 35万円/坪〜
・焼肉店 50万円〜
厨房設備の概算も厨房機器メーカーのショールームに出向いて相談してみる事をお勧めします。
相談先がない場合は、情報サイトを活用して計算してみるのも良いかと思います。
【厨房設備の概算(参考までに)】
一般的には、特殊な器具や設備を除いて、50万〜300万と言われています。
このほかに、『デザイン費用』『諸経費』等が加算され、工事費の全体の20%程度は必要になるでしょう。
工事費の抑え方は色々有りますが、これは後の回でお話したいと思います。
ここで、人件費の概算についてですが、下記の金額に自分が欲しいスタッフの人数を掛け合わせ予測してみましょう。
【人件費の概算】
・厨房スタッフは25万円〜
・ホールスタッフは正社員で25万円〜
・アルバイトスタッフは時給で1000円〜
他にも、賃貸費用については、店舗情報を掲載している、
出店候補地付近の不動産情報サイトから予測してみましょう。
ただし、業種業態により断られる物件もありますので、情報の精度にも注意しながら情報収集を行ってください。
特に近隣相場より安い物件は、目に見えない条件にも注意です!
飲食店だと借りられない、駐車場の確保が難しい、近隣の環境が商売には不向き等の懸念事項も考えられます。
潜在的なリスクを回避した物件選びを心がけましょう。
こういった「見えないストレス」は、後々の客足や将来性にも影響するところです。また、食材コストや運営コストの側面も踏まえ、アナタのアイデアのリアルな『実現性』を総合的に判断したいところです。
それでは、『市場の有無』についてですが、そもそも需要のないところでは商売をする理由がありません。
私たちが商売する場合は、大きな需要を意識する必要があります。
自分のアイデアを多くの人に欲しいと思って貰えるか確認するには、まず、アナタが目をつけた直接的競合店について考えます。
そのエリアには、よく似た競合店はいくつあり、どのようなお客様が、
どれくらいの人数いらっしゃいましたか?
そこに、アナタの狙う市場はありそうですか?
ここまで調べれば、そのエリアに参入可能なのか不可能なのか、判断するには十分でしょう。
ここで、忘れてはいけないことは、もしも差別化されたアイデアが、薄いと感じたら何度でもブラッシュアップを検討するべきでしょう。
次に、間接的競合店について考えてみましょう。
これらの競合店からは、「市場の可能性」を読み取る事ができます。
どういうことかと言うと、例えば、蕎麦屋を出店しようと考えたとしましょう。
コンセプトは、「健康に配慮した蕎麦で、昼食時間を豊かにする。」とします。
直接競合は、健康に配慮されたお店で、
間接競合は、健康に配慮されていないお店と考えられます。
例えばそこで、これまで健康意識に乏しかった若年層にも、「これまでとは違った新しい切り口でアピール」することができれば、自分の新たなお客様になり得ます。
「市場の可能性」=「チャンス」といっても過言ではないでしょう。
このように自身が情熱を持って、興味のある市場の探求を行い、
実現性があるアイデアかを判断していけば、自ずと進むべき道が見えてくるのではないでしょうか。
挑戦するためには、絞り出したアイデアを色々と掛けあせてみる事で突破口が開かれる場合もあります。諦めずに可能性を試してみましょう。
次回は、形になりつつあるアイデアの最終確認を行います。
チェックシートを用いてオリジナルアイデアを3つ程度に絞り、いよいよ出店に向けて本格的な準備を進めていきましょう。