【飲食店の事業計画書】未来の財務状況を確実にする利益計画作成方法

あなたに融資を実行するときに、金融機関はどんなことを考えているかわかりますか？

こんにちは。

武野慎一郎です。

開業資金の融資を実行するときに金融機関が考えることは、以下の二点です。

・融資金額の全額を返済期間内に完済してもらうこと（その場合、毎月の金利額×返済回数が金融機関の売上になる）

・あなたのお店が成長し、新たな融資機会を作れるようにすること

この二つが実現することは、お店を経営するあなたにとっても有意義なことです。

お店を拡大するときや緊急事態が発生したときなどに必要な資金を調達できる先が存在することにつながるからです。

そのためにも、2年後、3年後の財務状態を明確にするための利益計画を作成して説明することで金融機関からの信用を得ることが効果的です。

2年後、3年後の財務状態を明確にするための利益計画を作成するにあたっては、将来に向って売上がどのように向上していけるのかを考える必要があります。お店に対するリピート客が増え、あるいは新規のお客様が増えていけば、来店客数の合計が増え、必然的にお店の売上も増えます。あるいは、来店客の平均客単価が向上していけば、必然的にお店の売上も増えます。

これらのことを意識しながら、2年後、3年後に向って、これらのことを実現させるためにどのような取り組みを行っていくのか、それによりどのような根拠に基づいてどのような効果（変化）が見込まれるのか、そうなったときの店の売上はどの程度になるのかということを計画の中に落とし込んでいくのです。

どのような取り組みに関しては、新規客を集客するための広告宣伝、既存客のリピート化の推進や新規客の集客につなげていくための従業員の教育や新たなお店への投資を行うことなどの対策を具体的に記入します。

そのような取り組みを行うことで売上が変化していけば、売上原価や販管費（営業経費）の構造も変化します。来店客が増えることで食材を効率的に使うことができるようになり、その結果売上原価率が低くなることがあるかもしれません。あるいは、店の営業の効率が良くなることで、売上高に占める変動費の割合が低くなることがあるかもしれません。

反対に、人件費など増える項目もあるでしょう。

それらの影響を反映させたうえで毎月の最終利益額が増えていく道筋が想定されれば、あなた自身も金融機関も安心です。

売上アップのスケジュールを計画する

あなた自身と金融機関の安心をさらに高めるためには、数字の計画だけではなく、スケジュールに関する計画を立てることが効果的です。

スケジュールに関する計画を立てるというのは、売上を増やすためにどのような取り組みを行うのかということを時系列的に見える化するということです。

例えば、2023年1月に店を開業する場合に、2023年1月～6月までの期間は、お店のことを知ってもらうための広告と一度お店に来た人のリピート客を増やすための関係強化を徹底する、2023年7月～12月までの期間は、リピート客からの新規客紹介を促すための仕組みを定着させるとともに顧客満足度を高める経営を行うために従業員を一人雇用して教育する、2024年1月～6月までの期間は、二人目の従業員を雇用して教育するとともにお客様一人一人の嗜好に合った料理を臨機応変に提供できるようにするためのお客様の履歴を管理するシステムを導入するといったように、お店が着実に成長していく道筋を明確にするのです。

このモジュールでは、融資を受けるために必要な財務計画の作成方法というテーマで話をしてきました。自分のお店を経営していく為に、どのくらいの融資が必要で、自分のお店は利益がこのぐらい出るので、しっかり返済もできますよという計画を立てようと言うことです。

オーナーになるあなたは、細分化された項目の金額をどの程度理解していますか？また、どのように返済計画を考えていますか？この部分を融資担当者の方はみられていると思います。

目を背けることなくしっかりと細分化した金額と向き合っていきましょう。

【飲食店の事業計画書】未来の財務状況を確実にする利益計画作成方法