事業計画書の内容が融資の決定で重要視される理由
あなたは事業計画書に記入する項目で何が重要視されるか知っていますか?今回は事業計画書の内容が融資決定で重要視される部分についてお話をしていきたいと思います。
こんにちは。
武野慎一郎です。
日本政策金融公庫のデータによれば、飲食店の開業資金額の目安は1000万円前後だということであり、そのうちの8割程度を金融機関からの借り入れで賄っている事例が多いということです。つまり、金融機関が希望通りのお金を貸してくれるかどうかが、希望通りに開業できるかどうかの鍵を握っていると言っても過言ではありません。
実際私も最初の開業時には日本政策金融公庫から融資を受けてスタートしましたからね。資金調達できるかどうかは、スタート時に大きな選択肢を迫られる部分になると思います。
そこで、金融機関の融資に対する審査で重要視されるのが開業時の事業計画書、つまり創業計画書なのです。 実際融資を受ける時の判断基準はこの計画書だけですからね。
金融機関は、善意やボランティアでお金を貸してくれているのではありません。融資を行った後に毎月金利を上乗せした金額を返済してもらい、完済された場合、得られた金利の総額が金融機関の売り上げになります。
逆に考えれば、金融機関は、このような形で売上や利益を稼ぐビジネスを行っているのです。
そのため、成功する見込みの少ない事業に対して融資を行うことは、金融機関にとって大きなリスクとなります。貸したお金を返してもらえなくなってしまった場合、それがそっくり金融機関側の損失となってしまうからです。 そう考えると安易な判断はできませんよね。
日本政策金融公庫などの政府系金融機関は「開業支援による経済発展の推進」といった国家の方針に基づいて融資を行っているのでそこまで厳しい見方はしないだろうと考えている人も多いようですが、融資のための資金は税金で賄われているため、民間の金融機関と同様に、成功する見込みの少ない事業に対して融資を行うことに対しては消極的な姿勢を示します。
そして、「成功する見込みのある事業なのかどうか」を判断する材料となるのが、この事業計画書なのです。
前回のレクチャーでもお話ししたように、事業計画書は、経営者のあなたが「開業後にどのように事業を展開して、どのような結果が得られると考えているのか」を見える化した内容です。
口では都合のよい言葉を並べ立てることができたとしても、きちんとした考えのない経営者には、きちんとした事業計画書は書けません。
さらに、「開業後にどのように事業を展開して、どのような結果が得られると考えているのか」を考えていないということは、行き当たりばったりな経営が行われるということを意味し、事業としての成功が得られない可能性が極めて高くなります。
このような観点から、金融機関は事業計画書を重要視するのです。そう考えると、事業計画書の重要性は理解できますよね。
きちんとした事業計画書を作ることができれば、あなたにとって次のようなメリットが生まれます。
事業計画書の作成メリット
1.融資担当者からの信頼が得られる
2.スピーディに審査が行われる
3.審査にパスする確率が高まる
「私は、私自身の事業を、このように考えているのです」ということを明確に伝えることができれば、融資担当者も協力的になります。審査を通すためのアドバイスも積極的に行ってくれるようになるはずです。
融資の審査は、相談を受けた担当者が上司に稟議(決済依頼のための文章)を上げた後に行われます。担当者があなたの事業の内容を正確に理解していればスピーディに稟議を作成することができるようになり、その後の説明も的確に行えることで、審査そのものがスピーディに進みます。
審査は金融機関が作成したチェックポイントに基づいて行われますが、あなたの事業の内容を正確に理解した担当者がチェックポイントごとに的確な内容を記した稟議を作成することにより、審査にパスする確率が高まります。
そうなることで、あなたが資金を調達できる確率が高まり、時期も早まるのです。この部分を理解しながら、事業計画書を作成するかしないかで内容の良し悪しも変わってくるかもしれませんね。
あなたのやりたいことを、しっかりと説明できる事業計画書を作ることが全ての事業の進捗を早めていくことになると思います。
飲食店開業時のジャンル選定に悩んでるあなたはこの記事が役に立つかもしれません
あなたの飲食店を成功に導く最強の選択術
下記リンクより関連ページを御覧ください。
モジュール1:現在の自分を洗い出す
- 1-1 飲食店を成功に導く最強の選択術とは?
- 1-2 あなたの得意をどのようにしてお客様に提供すべきか?
- 1-3 飲食店開業についてあなたはどのように説明できますか?
- 1-4 飲食店の経験や知識を書き出すことで気づくこと
- 1-5 あなたは情熱を注げることができるか?店舗経営のチカラ!
- 1-6 今までの経験から武器を選定する
モジュール2:今までの経験から武器を選定する
- 2-1 飲食店開業前の経験から武器を選定する
- 2-2 飲食店店舗の独立開業へと導く分析術
- 2-3 事業計画書に活用できる!洗い出された強みと隠された弱み
- 2-4 ピンチをチャンスにすれば良い。開業時に考える外部環境の機会と脅威について。
モジュール3:武器の組み合わせで最高の成果を探る
- 3-1 SWOT分析でわかる飲食店店舗の強みを戦略化する為の開業分析術
- 3-2 飲食店開業時に発揮する武器の組合わせで最高の成果を探る
- 3-3 店舗開業に役立つ具体化したアイデアを書き出す
- 3-4 飲食店舗開業前に考えておきたい3つの質問
モジュール4:ライバル調査と最終ジャンル選定