知っておきたい飲食店のFLコストとは?パート2
あなたはFLRコスト比率について考えたことはありますか?
原材料費と人件費そして家賃について、業種・業態についての違いも確認していきましょう。
こんにちは、武野慎一郎です。 今回は、FLコストについてのパート2です。
前回はFLについてお話ししました。ここでは最近主流となっているFLRコスト比率についてと店舗や業態のFLの違いについてお話します。
FLRのRとはRentで賃料つまり家賃のことです。FLRは家賃を加えた指標で、こちらも重要な指標となります。 駅前の一等地や人気のショッピングモールでの出店など非常に高い家賃の場合、売上からFLコストを引いた利益の大半が、R=家賃になってしまうことがあるのです。 一般的には、売上に対するFLRコスト比率は70%未満にするのが良いとされています。 飲食店の家賃10%以内とよく言われるのは、FLRコスト比率の関係をみると分かりやすいですね。
FLRコスト比率(%)=(原材料費+人件費+賃料)÷売上×100
一般的にFL共に30%程度とお伝えしましたが、飲食店には非常に多くの業態、ジャンルがあり、店舗の状態により、F・Lともに異なります。セルフサービスのお店ではサービススタッフがいないため、人件費より原材料費が高くなりますし、高級レストランや高級割烹など、高いスキルのサービススタッフや高い技術を待った職人が必要になるので、人件費率はおのずと高くなります。
実際の業態を例に挙げますと
- ジャンル F(原材料費) L(人件費)
- カフェ 24〜35% 25〜36%
- ラーメン 28〜35% 25〜30%
- 寿司屋 36〜42% 24〜30%
- 居酒屋 29〜34% 28〜32%
- 日本料理屋 34〜38% 25〜30%
- レストラン 30〜35% 27〜29%
- 焼肉 38〜40% 20〜22%
- 中華料理屋 31〜33% 27〜30%
- ファストフード 40% 20%
あくまで目安です。店舗方針、戦略により様々です。
分かりやすいのは焼肉店で、お客様が調理するので、人件費は低く、品質に直結する、原材料費にかける割合が高いです。 回転すしも含め、寿司の業態も生鮮食材を扱うので、品質重視な半面、ロスが出やすく、原材料費の比率が高くなっています。 大手チェーン店がひしめく、ファストフード業態は、アルバイト比率が高く、接客もマニュアル化されており、人件費が低くなり、原材料費が高くなっています。
数値の割合は様々ですが、FL比率60%以下が良いとされる定義は変わりません。 気づいたときに慌てて闇雲にFLコストを下げると、客離れにつながる可能性が高いのです。F(原材料費)むやみに下げると味が落ちたといわれ、二度と来てくれない可能性もあります。L(人件費)を削るのも、あくまでも飲食業は人でなりたっている、ピープルビジネスであることを忘れてはいけません。そういった、落とし穴に落ちないためにも、開業前にしっかりと計画をたてることをおすすめします。
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