知っておきたい飲食店のFLコストとは?
飲食店開業前に覚えておきたいFLコスト。あなたはFLコストについてしっかりと理解できているでしょうか?飲食店経営に切っても切り離せないこのFLコストについて説明していきたいと思います。
こんにちは。
武野慎一郎です。
今回は飲食店経営では欠かすことのできないFLコストについてお話します。
飲食業は浮き沈みが激しい業界と呼ばれ、以前お話した通り、開業3年で7割が廃業、10年続く店舗は1割ともいわれる厳しい業界です。 美味しい料理を出していれば、必ず繁盛するという単純なものではありません。オーナーとして経営者としてしっかりとしたコスト意識、コスト管理が必要です。その重要な指標となるのがFLコスト、FL比率なのです。
FLコストとは?
FLコストとは、店舗での運営費のなかでも、占める割合の多い、原材料費と人件費のことです。FとはFoodで原価、LとはLaborで人件費を示します。原価と人件費を合わせたものがFLコストで、売上に占める割合を出したものが、FL比率となるわけです。
FLコスト=原材料費(原価)+人件費
FL比率(%)=(原材料費+人件費)÷売上×100
ですので、どれだけ売上を上げても、FLコストが高すぎると利益が残らないというわけです。それでは、適正なFL比率はどの程度かというと、一般的にはF、Lともに30%で合計60%が目安といわれています。
具体的に計算すると
月商500万円だとすると 人件費30%=150万円 原価30%=150万円 残り=200万円 その他経費(家賃、水道光熱費、その他経費)=160~165万円 で利益が35万円から40万円出るといわれています。
しかし、売上が500万未満の店舗は多く、特に個人店ではFL60%では自分の給与が出ないとった声も、少なくありません。そういった声も含めて、FL比率50%以下なら超優良店、50~55%以下なら優良店、55~60%が一般的な水準、60~65は危険域、65%を超えると危機的状況というわけです。ですから、FL60%以下はもちろん、50%から55%を目指していきましょう。
居酒屋を例に挙げると、料理は原価が高く、つくる手間もかかり、人件費も高くつきますが、原価の安い、手間のかからない、アルコールの出数を増やすことで、FLを抑え、利益を上げることができます。居酒屋などで、店員さんから笑顔でドリンクのお替りいかがですかと言われたことはあるでしょう。
店舗の教育がいきわたっている証拠ですね。 最近はハイボールを売りにした店舗をよく見かけますが、ウイスキーはビールよりも原価が安いのです。生ビールは保存期間が短く、毎日の洗浄や余分な泡を捨てるのでロスが多いのです。そういった、飲食店背景を良く知る、大手飲料メーカーが生み出した流行りなのです。
そういったカラクリは他にもいろいろあります。 私のお店の蕎麦居酒屋では、必ず食事の締めに蕎麦をおすすめするよう徹底しています。もちろん蕎麦屋ですから蕎麦の商品力には自信があります。最後に食べる〆としては最適ですし、湯がくだけで、提供時間も早く、客単価UPにつながりますし、そば湯を出しして、お客様の満足度UPにもつながります。
FLについてお話してきましたが、飲食店の経費を多く占めるFLコストの管理が経営を大きく左右することを分かっていただければ幸いです。
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