出店候補地の競合の調査結果を書き出す
あなたは『直接競合』と『間接競合』についてちゃんと説明できるでしょうか?
こんにちは。
武野慎一郎です。
前回のワークで、競合調査の準備が整いました。
今回からは、ワークシートを調査現場に持ち出し競合調査を行っていきますが、調査に出かける前に『直接競合』と『間接競合』この2つのポイントについてお話ししておきます。
『直接競合』とは、直接的に関係する競合他社のことです。
例えば、直接的に関係するとは、自分と同じ商品やサービスを提供しているお店のことですね。業種と業態が同じ店舗ということです。私のお店は蕎麦屋なので、もちろんお蕎麦屋さんは直接競合になります。これはわかりやすいですよね。
『間接競合』とは、間接的に関係する競合他社のことです。
例えば、間接的に関係するとは、自分たちとは違う商品でありながら、同じ理想顧客を満足させているお店です。私のお店で例を上げると、お蕎麦屋さんの間接競合は、同じように観光地で料理を提供している、うどん屋さん、ラーメン屋さん、もしかしたら中華料理店やエスニック料理店ですら、ターゲット層が同じであれば間接競合になりますよね。
この2つの視点から確認することが、非常に大切です。
次に、調査場所の選定方法についてですが、手段は様々です。
私がおすすめするのは、まずはあなたが出店する場所から半径5キロ以内の人気飲食店を洗い出すことをおすすめします。そこから直接競合と間接競合にふるい分けをしてみてください。そのお店の人気の理由も書き出すことをおすすめします。
どうしても直接競合のことを考えてリサーチしがちですが、お客様目線で考える事が大切です。簡単に言うとテレビと、映画をお客様が時間つぶしとして求めているのであればどちらも同じ解決策となります。通常考えれば、家でテレビを見るのと映画館に足を運んで映画を見るのでは、全く違うように感じることでも、お客様の考え一つで同じ土俵になることもあり得るということを覚えておいてください。
いよいよ競合他社の調査方法についてですが、まずは、インターネットを活用してリサーチを始めましょう。
最低でも『食べログ』と『ぐるなび』は要チェックです。
これらのサイト内で、メニュー構成や金額構成をチェックすることができます。
次に、忘れがちですが、地域のタウン情報誌や旅雑誌も確認してみましょう。
同じくメニュー構成や金額構成をチェックしながら、話題に上がっているトピックや雑誌の推している情報にも目を向けてください。
また、最新情報に強いSNSを駆使して、こまめな情報チェックを心がけましょう。広い視野を持って、地域で『話題』になっていることをリサーチしましょう。リサーチが終わったら、気になったお店に足を運びたいのですが、視察が難しい場合もあると思います。そういった際は、HPをくまなく確認しSNSもチェックします。対象店舗の情報発信の傾向を分析し、差別化のアイデアやコストのかけ具合など、ヒントがないか探りましょう。
それでは、実際の調査で、そのお店の何を見れば良いのか、何に注意すればいいのかを具体的にお伝えしていきます。まずは、お店に入ったら、店内が見渡せる場所に着座しましょう。
可能であれば、必ず厨房の中まで見える位置を選んでください。
ここからは客層に着目しながら、6つのポイントを踏まえて売上予測を計算していきます。
・自分の理想とするお客様はいらっしゃいますか?
・席数はいくつ有りますか?
・着座率はどれぐらいですか?
・平均着座時間は何分ぐらいですか?
・周りのお客様が、どのような食事をされてますか?
・平均客単価はいくらになりそうですか?
時間帯や曜日等にも左右されるので、出来ればピーク時と、それ以外の時間帯を分けて調査してみてください。
この情報がわかれば売上予測が立てられるので、メモをとって後ほど計算してみましょう。
他にも、調査中にチェックしておくべきポイントを下にまとめたので、漏れがないように確認しておきましょう。1つ目、自分の店舗の改装費用について。訪れたお店の雰囲気を参考にしながら、いったい、どれぐらい掛ける必要があるか検討を立てることができますか?
考え方としては、アナタのお店は高級に見せる必要があるのか、そうでない場合は、どの程度のグレードにすべきか決定することが大切です。はじめは、お店の内装費用は極力抑えておいた方が無難です。
厨房機器に予想以上の資金が必要となることも想定されます。
調査対象の厨房には、何が何台ぐらいあるかもチェックしておきましょう。
2つ目、人件費について。
こちらも後ほど計算できるように、スタッフが何人いるか数えておきましょう。
可能であれば、厨房スタッフとホールスタッフ、アルバイトを分けてメモしておくことがコツです。
3つ目、メニューに関して。
自分の生み出したアイデアが「差別化されたメニュー」であるか意識しながら、実際に路上の人の流れに沿って歩いて調査しましょう。例えば、自分の出店候補地の近隣に、似た様なアイデアのお店がある場合は、
危険な賭けになるかもしれません。
しかし、仮に、そのお店が連日行列のできる人気店で、まだまだこのエリアには高い需要があると判断できれば、アナタのお店も勝負できる可能性が考えられます。
最後に、前述にもあったように直接競合と間接競合の視野から、ライバル店に実際に足を運び、肌で感じること、客層から感じること、繁盛している理由を総合的に考えてみることが必要です。
そして並べてみると意外と見落としていた大きな発見があるかもしれません。
ぜひ前向きに取り組んでみてください。最低でも以上の内容をメモして調査に臨んでください。
次回のワークで調査結果を分析し、アイデアの実現性について検討していきましょう。