事業計画の実現見通しの伝え方
最初から回収の見込みのない案件に対して融資を進めようとする融資担当者はいません。
金利を含めた融資額の全額を回収することが、金融機関にとっての使命だからです。
こんにちは。
武野慎一郎です。
事業計画は実現の見通しがあることを伝える必要があるのですが、これに関しては、事業計画書を作成する側のあなた自身はこのことを主観的に語り、伝えられる側の融資担当者は伝えられた内容を客観的に精査してしまうため、ストレートにぶつけても伝わりづらいという難点が存在します。
あなたは自らが行う事業なので頭の中で成功イメージを描きながら情熱的に伝えようとするのですが、融資担当者は一般論的な感覚のもとで中身の良し悪しを考えてしまうからです。
このことを理解したうえで、あなたは、融資担当者に対して事業計画に実現見通しがあることを伝えなければならないのです。
言い方を変えれば、融資担当者に事業計画に実現見通しがあると思わせなければならないのです。
そうするために効果的な対応が二点あります。
「ロードマップを描く」ことと「環境に変化が生じたときに行える対応を具体的に伝える」ことです。
①ロードマップを描く
ロードマップを描くというのは、事業を開始してから、経営が軌道に乗るまでの道筋を見える化するということです。
「どのようなプロセスで事業が成長していくのか」「どのような時期に事業に対する変化や結果が生じているのか(マイルストーン)」「そのことを実現させるためにどのような取り組みを行うのか」ということのイメージをシンプルに表現するということです。
例えば、オープンしてから3カ月後に「リピート率が30%且つリピート客が30人」、6カ月後に「単月の最終利益が〇〇万円」、……などというような3か月ごとのマイルストーンの実現がイメージできているのであれば、それぞれのマイルストーンの実現に向けた取り組みを明らかにしたうえで、マイルストーンと取り組みの内容を3カ月単位での時系列で表したイメージ図を作成します。
ここで肝心なのは、文章だけで表すのではなく、図やデザインを活用するということです。
人は、視覚的にとらえることで物事をイメージしやすくなるからです。
②環境に変化が生じたときに行える対応を具体的に伝える
ロードマップは、オープン時の環境のままで物事が進んでいったときにイメージできる事業成長の姿を表したものです。しかし、現実は、日々環境は変化していきます。よって、環境変化が生じたときにどのような対応を行えるのかをロードマップとセットにして伝えることで、より説得力が増します。
環境変化への対応は、想定できる範囲内のことで且つあなたの店の経営に大きな影響を与えそうなことについて考えます。大震災が発生する、新型コロナのような感染症が蔓延するといったようなことまでは考える必要はありません。
誰もが想定しうることとして、ライバル店の出現があります。それに関しては、そのような事態が生じたときに、店の売上を減らさないようにするためにどのような対応を行うつもりでいるのかを具体的に説明します。
既存客を流出させないための対応やライバル店と競い合いながら新規客を呼び込むための対応などについて、現段階で方法論として認識できている内容を伝えます。
事業計画の実現見通しに関しては、融資担当者に伝える前に、家族や友人などに説明して伝わりにくい部分や勘違いさせやすい部分などの存在を指摘してもらうと、より効果的です。
そのような部分の説明をより伝わりやすい内容にすることで、融資担当者に理解してもらいやすくなります。
これで今回のコースは終わりになります。
長かったですね。お疲れ様でした。
事業計画書を作成する部分は、実際文章力も数字の部分も根拠を持って記入していかないといけないので、時間もかかりますし、初めてであればなおさら難しく感じるものです。
しかし、絵に描いた餅にならないために、あなたが実際夢に描いたお店の良いところを第三者にいかにわかりやすく、いかに簡潔に伝えることができるかどうかということです。
まずは自分の想いを書き出し、それを伝わりやすいように文章構成を考えていきましょう。
お金の部分は計画段階で甘い計画にならないよう、最悪の事態を想定しながら計画するのも大事だと思います。 計画よりよくなるのであれば、極めて良いことですからね。
あなた自身が、作り上げる事業計画書であれば、必ず融資担当者にも伝わりますし、誰よりもお店のことはあなたが理解しているのですから。 自信を持って伝えていきましょう。
あなたの理想のお店があなたの事業計画書に反映されることを願っています。
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